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​RACE REPORT/Rd.2 Brands Hatch

予選上位陣にアクシデント多発し、ウエイト組が手堅く入賞

耐久王者凱旋!WRTが1-2の貫禄勝利​

​予選

2018年5月25日に開催されたLCブランパンGT第2戦ブランズハッチ。

日本でいうところの「イギリス版菅生」と言えるサーキットで、道幅が狭く森の中を駆け抜けるオールドタイプのレイアウトということもあって追い抜きが難しく、予選の結果が重要と言える。

今回のトピックスは#114エミールフライレーシングRCFのドライバーふじおが欠場し、助っ人としてGRTウラカンの第2レギュラードライバーであるウルフが登録されたことだろう。

そのウルフは1'22.948をマークするが、それでも5番手タイム。

ここブランズハッチではMR車が予選で強さを見せ、#63ランボルギーニが1'22.884で4番手、#1アウディが1'22.863で3番手、2番手には唯一FR車で意地を見せた#99BMWのジャンが1'22.734というタイムで着けた。

そしてPPは前回パッドコントローラーで参加し不振だった#17アウディのYAM。タイム差が均衡したこの予選で#99BMWを0.148秒突き放す1'22.592をマークした。

一方前回モンツァでは1-2フィニッシュを飾ったAMG勢最上位は+3%ウエイトの#4AMGの11番手と苦戦する結果となった。

​決勝

道幅の狭さも相まって、一層車間が詰まって見える状況からLCブランパンGT第2戦ブランズハッチ決勝の火蓋が切られる。

​トップの#17アウディは好スタートを切り、2番手スタート#99BMWは1コーナーでやや失敗し差を広げられる。

#99BMWに並びかけた#1アウディだが、更に2コーナーイン側から#63ランボルギーニが並びかけ、2コーナーから立ち上がりで#1と#63がサイドバイサイド。

続く3コーナーで片輪を芝生に乗せた#63ウラカンがスピンを喫してしまい最後尾まで順位を下げてしまう。

​後方では9番手スタートの#23GT-Rが#66アウディと交錯してポジションダウンし、6番手スタートだった#98BMWは2コーナー立ち上がりで単独のハーフスピンにより、こちらも順位を落とした。

#17アウディがオープニングラップをトップで終えるが、2番手#99BMWが猛チャージをかける。

しかし気合が空回りしたか、3周目1コーナーでコースアウト。復帰に手間取り14番手まで後退してしまった。

レース開始10分経過

7番手#66アウディのペースが上がらず、ウエイトを積む#4AMG・#43AMG・#23GT-Rを含む8台のパックが出来上がる。

トップ争いはWRT2台に#72フェラーリが攻め立てる展開が続く。

​スタートでポジションを上げていた#911ポルシェがそれに続き、#114レクサスはペースが上がらず差を広げられる。

レース開始15分経過

​スタートでスピンし順位を下げた#63ランボルギーニだがペースは集団の中で一番良く、#22GT-R・#76アストン・#23GT-R・#44AMG・#43AMGをあっという間に抜き去り9番手までポジションを戻す。

​それを確認してか、#4AMGが#66アウディをオーバーテイクし、この集団から抜け出す。

​続いてペースの良い#63ランボルギーニが#66アウディに対しやや強引に2コーナーで差し込むが、押し出す形になって更にイン側に43AMGが入り8番手に上がる。

​#63と#66はそのまま並んで3コーナーに入り、#63はスタートでの#1との交錯と全く同じ形でコースオフを喫する。

#63と#66のコース復帰により集団に混乱が生まれ、#98BMWが4コーナーで外にはじかれ大きくオーバーラン。​

​この混乱が起因でLCブランパン初のフルコースコーションが提示される。​

レース開始18分。​トップ集団のマージンが0になるが、再スタートは大きな波乱なく無難に各車がまとめる。

​再度後方からの追い上げとなる#63ランボルギーニや#99BMWだが、1秒以上遅い#44・#43のAMGに詰まる形になりピットオープンタイミングのレース開始25分でピットインしアンダーカットを狙う。

一方上位陣はピットクローズ間際のレース開始33分でトップ7が一斉に入る。

​ピットを終えトップでピットアウトしてきたのは順当に#17アウディだったが、2番手にはなんとピット前まで5番手だった#114レクサスが#17アウディのすぐ背後でピットアウト!

前半スティントを燃費走行で凌ぎきり、給油量の差でピット時間を短縮してきた

​3番手には#1アウディがつけ、ピット前までは3位だった#72フェラーリは6位まで順位を下げてしまった

​レース開始36分時点のストレートでついにランキングボードトップに#114レクサスが浮上した。

​一方ピットアウト後からリズムが狂い出していた#72フェラーリは#44AMGに抜かされ7位に後退。

​その直後の4コーナー

#72フェラーリが単独スピンし、すぐ後方を走っていた#99BMW・#63ランボルギーニが巻き込まれクラッシュ。

​さらにその後ろを走っていた#43AMG・#23GT-R・#98BMWの集団が差し掛かり、#43・#23は回避できたものの#98BMWが巻き込まれてしまう多重クラッシュが発生。

​レース開始38分

多重クラッシュを避けた#43AMGと#23GT-R、更にはクラッシュに巻き込まれながらも運良く素早く復帰できた#63ランボルギーニによる7番手争い。

​コース幅が狭いながらも押し出すことのないクリーンなオーバーテイクで#23GT-Rが7番手へ

​レース開始40分

​あまりにペースの違う#63ランボルギーニに対し過度なバトルは危険と判断しウィンカーを出しポジションを譲る仕草を見せた8番手の#43AMGだったが、押し出されコースオフし13番手まで後退してしまう

トップ争いでは一時#17アウディが#114レクサスを抜き返しトップに戻るが、43分時点でオーバーシュートして3番手に後退する。

しばらくはWRT2台に対し2秒ほどのマージンがあった#114レクサスだったが、燃料給油量をギリギリまで削った為に燃費走行を強いられレース残り9分というところで2台のアウディの猛チャージを受ける。

レース残り7分

アンダーステアでラインを膨らませた#114レクサスのインに#1アウディが並びかけていく。

​踏ん張っていたレクサスだが、ディングル・デルコーナーでアウト側の芝に乗せ姿勢を乱しスピンアウト!

​5番手まで後退してしまう。

残り5分というところでWRT同士の#1vs#17となったが、#17がアウトラインから#1をオーバーテイクして決着

​#1も無理に抜き返す素振りは見せず、このレースをWRTが支配しフィニッシュへと向かっていく

ファイナルラップ

上位陣の脱落により堅実な走行で9番手入賞を目前にしていた#22GT-R・#88AMGだったが、燃料残量が厳しくなり大幅にペースダウン。

そこに11番手を争っていた#76アストン・#98BMW・#43AMG・#99BMWが追いつき、最後の最後で激しいシングル争いが展開される。

​結果#88AMGや#98BMWが弾かれて順位を落とし、混乱を掻い潜って#43AMGが9番手を確保。

​#22GT-Rはガス欠により15番手となってしまった。

これで#43AMGはランキングは4位に落としたものの、ウエイトを減量させて※次戦ニュルブルクリンクに臨むことになる

​(※#63のぺナルティにより8番手フィニッシュ)

最終コーナーでは4番手の#4AMGに#114レクサスが追いつき仕掛けるがとどかず、#4AMGが3%ウエイトながら4位入賞と、シリーズを争う上での好位置でこのレースを終え、ランキングでも頭一つ抜けトップ。

またRd.1モンツァで4位だった#911ポルシェも3位表彰台を獲得し、ランキング3位に浮上した。

そして数々の混乱やクラッシュがあったRd.2ブランズハッチを制したのは#17ベルジアンアウディクラブチームWRTのYAM23!

​2番手の#1メリーを従えてのWRT1-2フィニッシュ。開幕戦の悪夢を見事払拭し、ポイントランキングでも#17は2位に浮上。

​チームランキングではWRTの1-2で一気にトップに立った。

​WRTの躍進に対し、今回のブランズハッチでWRT同様に開幕戦での遅れを取り戻すはずだったROWEレーシングの2台はそれぞれ10位・11位と低迷。

モンツァ同様に速さは見せながらも起こる混乱ほぼ全てで損をする役回りとなってしまった。

この結果により、次回Rd.3ニュルブルクリンクでは2台とも+1%の馬力救済が入ることとなった。

圧倒的な速さでここまでの流れを断ち切る快走に期待したい。

予選上位にいながら脱落してしまった#63ランボルギーニや#72フェラーリも、ニュルブルクリンク戦での注目車両だ。

LC BLANCPAIN GT SERIES Rd.3 Nurburgring GPは6/22(金)22:00より開催予定。

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