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​RACE REPORT/Rd.1Monza

サバイバルゲームとなった開幕戦はメルセデスAMGの1-2フィニッシュ!

助っ人のサブドライバーの活躍が光る中、強豪ROWEが不運に泣く。

​予選

2018年5月6日、GW最終日の夜、ついに開幕した2018LCブランパンGTシリーズ。

開幕の舞台は現実のブランパンエンデュランスシリーズ同様、快晴のイタリア・モンツァサーキット。

まずは12分間の中争われる予選がスタートする。

燃料消費設定2倍の今シリーズでは、予選中なるべく走行して燃料を消費させ、最後のアタックでファステストラップを刻む技術が求められる。

まずは72号車458のヘブンが1分48秒142というタイムを叩き出し暫定トップへ。

99号車M6のジャン、43号車AMGのアペックスがこれに続くタイムをマークする。

そこへモンツァを得意とするGT-Rの23号車Zが1分48秒041をマークしてトップに踊り立つ。

​4号車AMGコンバースは1分48秒092で僅かに届かず、これで確定かに思われた時、98号車M6オカサンがトラフィックのスリップをうまく活用し唯一の47秒台となる1分47秒865で逆転。記念すべき開幕戦でのポールポジション獲得となった。

​一方63号車ウラカンの助っ人ドライバー・やまどぅはラストアタックでトラフィックに引っかかり8番手タイムに留まり、強豪の一角であるアウディのWRTは1号車メリーが13位、17号車ヤムは都合によりパッドでの走行を強いられ最下位となるなど、番狂わせと言える予選結果となった。

​決勝

ROWEカラーのM6を先頭として、2018シーズンに統一されたブランパンリバリーの16台による1時間のレースがスタートを切る。

15番手スタートの22号車GT-Rがロケットスタートを決め11位まで浮上する中、1コーナーのブレーキングで4番手スタートの72号車フェラーリがブレーキングミスから追突を避けて1コーナースピン。

直後の2コーナー立ち上がりでは63号車ウラカンが単独スピンを喫する。

​この2台は強制コース復帰させられタイムロスは最小限で留まったが、手痛いスタートとなった。

素晴らしいペースで暫くトップをキープしていた98号車M6だったが、10分経過時点のホームストレートでストレートスピードの利を活かした23号車GT-Rに先行を許す。

​3番手4号車AMG、4番手43号車AMG、5番手99号車M6までがトップ集団となり、徐々に6番手88号車AMG以降との差を広げていく。

15分が経過した頃11番手争いが激化する。

66号車R8カツミナミのペースが思うように上がらず順位を落とし、76号車アストンの助っ人あめっさん、22号車GT-Rプリン、1号車R8メリーの4台が時折4ワイドになる激しいバトルを展開。

一方トップ争いでは5番手の99号車M6が1コーナーでAMG2台を一気にインからオーバーテイク。

​トップを争う98号車を援護する中で良いポジションを得る

24分経過し、4・5番手のAMGがやや失速しトップ3が差を広げはじめる。

トップを走る23号車GT-Rのペースは素晴らしく、予選結果を上回る48秒フラットのラップタイムをコンスタントに刻み、ROWEの2台もスリップを生かしついて行っている状態。

​6番手には予選11番手から追い上げてきた911号車ポルシェが浮上してきており、88号車AMG、63号車ウラカンが続き、9位に72号車フェラーリ、10位に44号車AMGの助っ人・ピッシというオーダーとなる。

25分を過ぎ、ピットウィンドウがオープンする。

真っ先に入ってきた76号車アストンを皮切りに、上位陣では2位を走行していた98号車M6が最初にピットイン

​燃料給油のみでコースに復帰していく。

続いてトップの23号車GT-R、99号車M6がピットイン

この2台はタイヤも交換してコースへ復帰。

​コースイン後2台は98号車M6の前に出るが、直後の1コーナーで23号車がコースオフし、99号車が実質のトップに躍り出る。

​一方のAMG勢はピットインのタイミングを遅らせ、軽タン状態でタイムを詰めトップ3との距離を詰める作戦を取った。

ピットウィンドウクローズ目前の35分経過直前

トップを争うAMGの2台、さらには後方から追い上げを図る911号車ポルシェがピットイン。

43号車のみここではタイヤを交換しコースイン。

全車がピットを終えインラップでのアタックが成功した4号車AMGがトップへ浮上し、2位だった99号車M6はこのタイミングで23号車GT-Rにオーバーテイクされる。

​43号車AMGは98号車M6の後方5位。そのすぐ後ろに911号車ポルシェがつけた。

一度はトップを明け渡した23号車GT-Rだったが、4号車AMGに追い付くとまたたく間にオーバーテイクし再びトップへ。

しかし翌周の1コーナーで再びサイドバイサイドとなり、2コーナーで姿勢を乱してしまった23号車GT-Rを99号車M6がオーバーテイク。

99号車M6はその勢いで4号車AMGを抜いてトップになるなど、レース残り15分の時点でトップ3の激しい鍔迫り合いが展開された。

レース残り12分の時点でトップ争いの展開が大きく変わる。

第2シケイン進入で99号車M6に合わせやや早めにブレーキングを開始した4号車AMGに、3番手の23号車GT-Rがプッシングしてしまう。

姿勢を乱したAMGがM6を押し出す形となり、99号車M6はクラッシュバリアへ突撃。

コース復帰に手間取り6番手を走行する72号車フェラーリの位置までドロップしてしまう。

​このアクシデントに関しては審議の申請が無かったため、レーシングアクシデントという結果になったが、優勝も見えていた99号車M6が脱落することになってしまった。

23号車GT-Rが再びトップに浮上し、レースは残り10分を切る。

3番手に着けていた98号車M6は無交換のタイヤと少なかった給油量を気にする走りが精彩を欠き、43号車AMGに先行を許したあとは911号車ポルシェとのバトルに持ち込まれてしまう。

​一方43号車AMGはタイヤを交換した事が功を奏し、トップ2台との差を詰めてトップ争いに名乗りを上げた。

レース残り5分、5番手の911号車がついに98号車M6を捉えて4番手へ浮上する。

​そして再度トップを狙いオーバーテイクを敢行した4号車AMGとの競り合いで加速が乗らない23号車GT-Rに、43号車AMGが立ち上がりで仕掛けて2番手に加わる。

59分が経過し、レースが終了すると思われたこの周、トップの4号車AMGが残り5秒のところでファイナルラップに突入する。

​この1周追加が後に悲劇を生む。

ファイナルラップ。ここまでずっと4号車の真後ろに着けていた43号車が初めて4号車に仕掛ける。

1コーナーでインサイドを取り、立ち上がりも並んだまま第2シケインへ加速していく。

​しかしラインが苦しい位置に追い詰められ4号車AMGがトップを守って最終コーナーへ向かっていく。

あと一つコーナーを抜ければフィニッシュというところで、4号車にトラブルが襲う。

度々発生していたハンドル振動からの誤作動により、パドルシフトが使えなくなり最終コーナー入口で4速にスタックしてしまう。

コーナー立ち上がりでは回転が足りず、ホームストレートでは吹けきってしまう状況で後ろから43号車が迫り来るが、0.120秒差で逃げ切り開幕戦で勝利を収める結果となった。

​3番手には23号車GT-Rが入り、ドイツ勢一色に近い状況に一矢報いることとなった。

そしてその後方では衝撃の光景が!

なんと5番手・6番手に着けていたROWE RacingのM6が2台ともガス欠でスロー走行を強いられていた。

不運にも上位を争いセーブした給油量が1周追加で仇となり、それぞれ14位・16位でレースを終える結果となってしまった。

2台の脱落で5位に72号車フェラーリ、6位に63号車ウラカンが入り、7位争いは最後に44号車が追い上げるもコースアウトし88号車に軍配が上がった。

この開幕戦では4名のサブドライバーが参加したが、内3名はトップ8に入る活躍を見せ、特に7位以上は多くポイントが入るため63号車のやまどぅ・88号車マツキューはポイント獲得に大きく貢献する形となった。

 

開幕戦から波乱の展開となったモンツァだったが、最終的には再現レース勝率No.1を誇るコンバースの4号車ブラックファルコンAMG GT3の貫禄勝利で幕を閉じた。

シリーズも4号車AMGを中心に進んでいくと見て間違いはないだろう。

しかし結果が残らなかったものの速さを充分にアピールしたROWE M6の2台やフェラーリ・ランボルギーニのイタリア勢、コースとのマッチングやパッドでの参加で実力を発揮することができなかったアウディ勢などの浮上が以降のラウンドでは予測され、開幕戦だけではまだまだ勢力図を測ることができない。

第2戦はコースのキャラクターがガラリと変わるブランズハッチだ。

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